外壁塗装のDIYについて
「家の外壁をDIY塗装したい」。そんなニーズが高まっています。ただし、外壁塗装は様々なノウハウが求められるため、経験のない方にとっては大変難しい作業です。したがって外壁塗装は専門業者に任せたほうが仕上がりや見栄えは格段に向上しますが、その分、費用はかさみます。ちなみに外壁塗装を専門業者に依頼した場合の相場は、30坪の住宅で100万円ほどの費用がかかります。ここでは「とにかく費用を抑えたい」という思いでDIY塗装を行う方向けに工程や注意点などをご案内します。
目次
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外壁塗装のDIY 塗り工程
塗装業者が外壁塗装を施工する場合、通常は下塗り、中塗り、上塗りと塗料を塗り重ねていきます。DIYで施工する場合も同様の工程で、段階的に塗料を塗り重ねていくことが見栄えの良し悪しを決めるだけでなく20年、30年と長持ちする外壁に仕上げます。反対に丁寧な塗り重ねを怠ると、わずか1年、2年で塗膜が剥がれて塗り替えることになり、余計な費用が発生してしまいます。ここでは下塗り、中塗り、上塗りのそれぞれの工程の役割と重要性について解説します。
下塗り
下塗りは、外壁と中塗り、上塗り塗料の密着性を高めるために極めて重要な工程です。下塗りを丁寧に行っていないと、塗料がはがれるだけでなく、部分的に塗料の色が薄かったり、濃かったりする色ムラが生じてしまいます。そのため、どの専門業者も下塗りを丁寧に行いますが、DIYする場合も広い面はローラーを、角などの細かな部分はハケを使うと隅々まで塗れます。
主な下塗り塗料
前述のとおり、下塗りは外壁塗装にとって極めて重要な工程のひとつで、作業には専用の塗料が使用されます。ここでは主な下塗り塗料であるシーラー(水性シーラー、油性シーラー)、フィラー、プライマー(防錆用プライマー、浸透性プライマー)の効果や機能を紹介します。
シーラー
シーラーには上塗り材となる塗料の密着性を高める働きのほか、仕上げ材が過度に下地に吸収されるのを防ぐ役割があります。ほかにも下地をしっかり整えたり、塗装面から発生するアクやヤニを抑える効果があります。シーラーは主に白色もしくは無色です。接着剤の役割を果たすシーラーは大きく分けて水性シーラーと油性シーラーがあります。それぞれの特長をご案内します。
水性シーラー
水性シーラーは浸透性が低いのが特長です。そのため劣化していない外壁に適しています。また、塗料特有の刺激臭が無い上、水性なので刷毛やローラーで塗りやすく、作業後も洗いやすいといったメリットがあります。扱いやすい下地材で、特にDIYでの塗装の際は、水性プライマーがおすすめです。
油性シーラー
油性シーラーは、浸透性が高いので劣化している外壁に向いています。また、早いもので30分、遅くても1時間ほどで乾くので作業しやすい下地材です。ただし、水性プライマーには無い塗料特有のツンとした臭いが出てしまい吸い込むと気分を害する恐れがありますので、DIYの際は、風向きを考えながらご近所迷惑にならないよう十分に配慮する必要があります。
フィラー
フィラーは主にクラックと呼ばれるひび割れの起きやすいモルタル外壁やALC(Autoclaved Lightweightaerated Concrete)に使用される下塗り材です。浸透性を活かしてひび割れの中に入り込み下地を補修すると同時に、上塗り塗料との密着性を高めます。接着剤の役割を果たすという点でシーラーとほぼ一緒ですが、フィラーはシーラー以上に補修力に特化しています。特にひび割れの多い下地に塗る場合は、微弾性フィラーが用いられ、中毛あるいは長毛のウールローラーやマスチックローラーを使って塗ります。
プライマー
外壁塗装をDIYする場合、下塗りに相当するプライマー塗装を省略してしまうケースが多いようです。前述したとおり、下塗りは塗装した外壁を長持ちさせるために必須で、DIYであっても省くことの出来ない工程です。プライマー塗料にはいくつか種類があります。ここでは防錆用プライマー、浸透性プライマーについて解説します。
防錆用プライマー
防錆用プライマーはその名のとおり、サビの発生抑制に効果的な塗料です。そのため、金属などの塗装にひんぱんに使用されます。防錆用プライマーはサビの発生を抑える働きのある顔料を混ぜてつくられており、錆止めだけでなく上塗り塗料との密着性を強くする機能も合わせ持っています。外壁のサビを取り除くためには、壁の表面を削らなければなりませんが、防サビプライマーを塗っておけば、その手間が省かれ、コスト削減に繋がります。DIYで防錆用プライマーを使用する場合は、製品の仕様をよく確かめた上でお使いください。
浸透性プライマー
浸透性プライマーはその名の通り、浸透性の高い耐久型エポキシ系接着剤プライマーです。特にコンクリートを塗装するときに使用され、ひび割れに浸透して奥までプライマーが届くので基盤コンクリートのゆるみや脆弱部を補強してくれる効果があります。DIYでコンクリートを塗装する場合は、この浸透性プライマーがおすすめです。
中塗り
中塗りは凹凸のない平らでなめらかな下地をつくるために行う工程で、仕上がりの美しさに大きく影響します。また、ほとんどの塗料製品が「中塗り」と「上塗り」の2回に分けて塗装する仕様となっており、中塗りによって塗料本来の性能が発揮されます。DIYでは下塗り、上塗りの2回で済ませるケースが多いようですが、外壁を長持ちさせるには、中塗りを含む3回の重ね塗りをおすすめします。
上塗り
上塗りは塗装工程の最終段階に当たるもので、中塗りと同じ色の塗料で重ね塗りします。上塗りでもっとも注意しなければならないのは、ムラが出ないようにすることです。その点、経験豊富な専門業者や職人であればムラの出ないコツを把握していますが、DIYでは複数のムラが出てしまうことも珍しくありません。せっかく塗装してもムラが出てしまうと見栄えが悪くなってしまいますので、塗料の基準塗布量と乾燥時間を厳守して塗り替えるようにしましょう。
外壁塗装のDIYで塗装以外の工程
塗装業者が外壁を塗装する場合、実際に外壁に塗料を塗る工程以外にも様々な作業が発生します。DIYで塗装する場合も同様です。ここでは主な作業工程である洗浄、下地処理、コーキング、養生、補修、ケレンの作業内容をご案内します。
洗浄(清掃)
洗浄は塗装に先立ち、外壁の汚れを落とす清掃作業です。DIYで洗浄する場合、まずはホースで水をかけるケースが多いようですが、ホースで水をかけたくらいでは壁の汚れは落ちないことがあります。そこでホームセンターなどで販売している高圧洗浄機を使って水をかけると、だいたいの汚れは落ちてくれます。
養生
養生は塗装しない箇所や塗料が垂れてはいけない箇所をビニールやテープで覆って保護する作業です。ビニールは保護する対象物の大きさに応じて様々な種類があります。またテープは養生テープやマスキングテープといった比較的粘着力の弱い専用テープを使用してください。DIYの場合、ガムテープを使用する方がいますが、ガムテープは粘着力が強すぎて塗装部分を傷めてしまったり、付着したまま剝がせなくなるといったケースもあります。
下地処理(補修)
下地処理は、汚れを落とした壁面の破損個所を補修し、平滑に整える作業です。この下地処理がしっかりできていないと、塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまったり、塗料本来の性能が発揮されず早期に劣化してしまうなど、仕上がりに大きく影響します。外壁にヒビ割れ(クラック)が見られた場合、シーリング材(変成シリコン系含む)などの補修材を擦り込んだり、ひび割れ箇所に電動工具で溝を作り、シーリング材で溝を埋めるといった下地補修が必要となります。こうした補修作業は経験が必要で、DIYで難しい場合は専門業者にバトンタッチすることをおすすめします。
コーキング
コーキングは外壁材の隙間を充填する作業です。コーキング材は弾性があるため、住宅が横揺れした際の外壁材のずれやひび割れを防ぐ役割があります。したがって、コーキング材の補充、充てんは、住まいで安全に暮らすために不可欠な作業といえます。コーキングのDIYにはいくつかのリスクがあります。まずは、コーキング材の選び方を誤ったり作業に不備があったりして施工不良が起きることです。また、汚い仕上がりになり、やり直しになることが少なくありません。さらに一見、簡単そうに見えますが、作業に慣れていないので、想像以上に時間がかかります。施工不良は雨漏りにつながりますのでご注意ください。
なお、コーキングとほぼ同じ意味で使用される専門用語として「シーリング」があります。
ケレン
ケレンは劣化した塗膜や錆を除去したり、デコボコした下地を平らに均一化する作業です。
主に下塗り塗装の前段階で行い、サンドペーパーや皮スキ、金ベラ、スクレーバー、研磨用スポンジなどの道具を使用します。ケレンをせずにいきなり塗装すると、劣化した塗膜や錆の上に塗装をすることになり、新しい塗料を塗っても密着性が弱いため、塗膜がすぐに剥がれてしまうだけでなく、錆も出やすくなります。DIYで外壁塗装する際、このケレンをせずにいきなり下塗りしてしまうケースがあるため、ご注意ください。
外壁塗装のDIYで使用する塗料
外壁塗装のDIYで使用する塗料をご紹介します。ここでは主な塗料であるフッ素、ウレタン、シリコン、アクリル、ラジカル、無機の特長をご紹介します。使用の際は製品の特性や機能の発揮条件などをよく確かめてお使いください。
フッ素
フッ素塗料は耐用年数が17年~18年程度と耐久性があるため、住宅だけでなく短期スパンでの塗替えが難しい大型商業施設などにも使用されます。耐用年数が長いため、コストパフォーマンスが高い塗料です。ただし、塗膜が他の塗料に比べて固く、横に伸びる力が弱いため、外壁のヒビと共に割れてしまうといったケースもあります。塗装業者にメリット、デメリットをよく聞くことが大切です。
ウレタン
ウレタン塗料は弾性に優れ、伸縮性があります。そのため、ひび割れ(クラック)が起きても塗料の密着度が高いため、塗膜表面までひび割れが広がりにくいといった長所があります。密着度が高く樹脂が柔らかいため、外壁はもとより屋根など幅広い箇所に応用できます。
シリコン(シリコンクリヤー含む)
シリコン塗料の耐用年数は約10年ほどと価格に対して耐久性が高いという長所があります。また、耐候性が高く、風雨にさらされても劣化しにくい上、汚れに強く、雨と一緒に汚れが落ちやすい塗料となっています。ほかにもシリコン塗料は、カビの発生を防ぐ機能もあるため、湿気の多い地域での外壁塗装に最適です。カビなども生えにくく美観を保ちやすいといった特長もあります。
アクリル
アクリル塗料は、安価で透湿性が高く、光沢やツヤが出やすいため、手軽に外壁の色を変えやすい塗料です。一方、紫外線によって塗膜の剥離を進行させるラジカル(劣化因子)が発生しやすい塗料であるため、塗料組織の劣化が早いといわれます。また、耐用年数は6年~7年程度と短いため、外壁塗装での使用機会はかつてに比べ減っています。
ラジカル
ラジカル塗料は、塗膜が剥がれるといった劣化を進行させるラジカルの影響を受けにくい塗料で、汎用性シリコン塗料を上回るコストパフォーマンスと耐候性があります。また、アクリル樹脂塗料やシリコン樹脂塗料と同様、ほとんどの外壁を塗装できます。劣化時のチョーキングが起きにくいのもメリットです。ほとんどが水性で一液型なので、作業効率が良く、安全なのも長所といえます。耐用年数は10年~13年程度ですが、外壁が設置された条件や環境次第では15年ほどに及ぶこともあります。
無機
色褪せやチョーキング現象は、有機物の顔料が使われているから起こるものです。その点、無機(光触媒)塗料なら、有機物を限りなく少なくしているので、チョーキングなどの劣化が起こりにくく、塗膜の寿命が長持ちします。無機物の価格が高いのに加え、他の塗料と比べて普及してないため、出荷数が少なく価格は高額ですが、耐用年数は20年~23年と大変長持ちします。
外壁塗装のDIYで必要な道具・材料
外壁塗装をDIYする際は様々な道具や材料が必要です。ここでは主な道具・材料である刷毛、サンドペーパー、ローラー(マスチックローラー)、ブラシ、高圧洗浄機、マスキングテープ、接着剤、バケツ、脚立、ペンキ、ヘルメット、ビニール、ホース、軍手、コーキングガン、シートの使用上の注意点などをご案内します。
刷毛
刷毛は外壁塗装に欠かせない道具で、特にDIYする場合の必需品です。刷毛は大きく「筋違刷毛(筋交い刷毛)」「平刷毛」「寸胴刷毛」の3つに分かれます。筋違刷毛は日本独自のもので柄が斜めになっているタイプで、細かい部分の塗装に適しています。一方、平刷毛はその名の通り、毛先が平べったくなっているため広い面積を塗るのに最適です。また、寸胴刷毛は毛量が多く、粘度の高い塗料を伸ばして塗る場合に向いています。毛の種類も幅広く、馬毛、豚毛、山羊毛などの動物の毛を使用したもののほか、化学繊維で出来たものなどがあり、塗装する外壁の材質に応じて選べます。
ブラシ
ブラシと刷毛はDIYでほぼ同じ役割を果たす上、見た目や形状も同じに見えます。しかし厳密には異なり、刷毛は柄材に割りを入れ、その割った所に毛材を挟み針金・糸などで締めた物であるのに対し、ブラシは保持材(多くは板)に穴を明け、毛を植えた物です。DIYではお好みや用途に応じて刷毛やブラシを使うことをおすすめします。
サンドペーパー
ケレンは外壁の汚れや錆を落とし、塗料と外壁の密着性を高めるための重要な作業ですが、そのケレンに使用されるのがサンドペーパーです。サンドペーパーを使って外壁や鉄部を研磨し、塗料の密着性を高めます。サンドペーパーは目の粗さごとに様々な種類がありますので、DIYの際はいくつか種類を用意し、外壁の状態に応じて適切なサンドペーパーをご利用ください。
ローラー(マスチックローラー含む)
広い面をハケで塗るのは大変ですが、ローラー(ペイントローラーとも)を使えば所要時間を大幅に短縮できます。また、ローラーは塗り跡がつかないため、きれいに仕上げることができるなど、外壁塗装のDIYには欠かせない道具です。ただし、塗料の粘度が高すぎると、ローラーマークと呼ばれる塗料跡がつくことがあるので注意が必要です。マスチックローラー(砂骨ローラー、パターンローラーとも)もローラーの一種ですが、一般的なローラーとは異なり、特別な用途で使います。というのもマスチックローラーは、塗料を含む部分が網目状になっており、液状の塗料を含むことはできません。マスチックローラーが含むことができるのは粘土の高い塗料に限られ、ひび割れが目立つモルタル外壁に厚みをつけて塗装するときなどに用いられます。ローラーを使った工法とは別に「吹き付け工法」もあります。これはその名のとおり、吹き付け機械(エアレススプレー・万能ガンなど)を使って霧状にした塗料を外壁に吹き付ける工法です。
高圧洗浄機
高圧洗浄機は塗装前の外壁を洗浄する際に使用します。高圧洗浄機を使うときにもっとも気を付けたいのは、極端に強い水圧を外壁の一点に集中させないことです。塗装業者は日常的に高圧洗浄機を使用しているため、水圧のかけ方を熟知していますが、DIYの場合は外壁の汚れだけでなく、既存の塗膜も吹き飛ばしてしまうといった失敗がよくあります。使用上の注意点をよく読んでお使いください。
マスキングテープ
マスキングテープは塗装しない箇所を覆うビニールを固定するために使用します。経験豊富な塗装業者や職人でもきちんと養生しなければ、意図しない部分に塗料が付着してしまったり、塗料のはみ出しなどが生じてしまいます。DIYで塗装する場合は、なおさら徹底した養生が必要で、そのためのマスキングテープは必需品です。
バケツ
バケツは外壁塗料の持ち運びや汚れを水で洗い流すときなどに重宝します。バケツというとステンレスや亜鉛メッキ銅板(トタン)、スズメッキ鋼板(ブリキ)など、金属製のイメージがありますが、塗装で使用するバケツは樹脂製も多く、「下げ缶」などと呼ばれます。バケツは何かと役に立ちますので、DIYの際もぜひご準備ください。
脚立
脚立は自身の上背では届かない箇所を塗る際に必要です。塗装専門業者であれば足場を組んで作業しますので脚立の出番は少なくなりますが、DIYの場合はご家庭の脚立が役に立ちます。脚立を使用して外壁を塗装する際はいうまでもなく、脚立が安定した状態で作業してください。また、ハシゴは脚立では届かない高所作業に役立ちますが、立て掛けて使用するため、脚立と比べると安定性に欠けます。誰かに下で支えてもらうなどして安全面に十分留意ください。
ペンキ
ペンキと塗料は塗装する対象を着色するという意味では同じですが、似て非なるものです。塗料は顔料や樹脂、溶剤(シンナー)などを混ぜて作られているのに対し、ペンキは植物油などで希釈するため主成分が大きく異なります。また、塗料は外壁などの塗装物を美しくし保護するだけでなく、対候性や遮熱性など、さまざまな機能を持たせます。外壁をDIYで塗装する場合はペンキではなく塗料をおすすめします。
ヘルメット
外壁塗装をDIYする場合、脚立は必須です。しかし脚立を利用すれば当然、地上から一定の高さで作業することになります。3尺(約90㎝)脚立はコンパクトで使い勝手が良いため、多くのご家庭で見かけます。これを外壁塗装の作業に利用する方もいますが、その場合、ヘルメットを着用せずに作業する方が多いようです。たとえ90㎝の高さといえども、落下した際、打ち所が悪ければ大変なことになります。そうした恐れを軽減するのがヘルメットです。DIYといえども、脚立を使って作業する際は必ずヘルメットをかぶり、安全対策に万全を期しましょう。
ビニールシート
ビニールシートは養生作業のマストアイテムともいえるものです。養生というと窓ガラスやサッシ、床、地面など、塗料が付着して欲しくない部分をビニールシートやテープで覆う作業とイメージされますが、植物や自転車、エアコンの室外機などをビニールシートで覆うのも養生です。DIYであればなおさら塗料が飛び散る可能性がありますので、ビニールシートでしっかりと養生することが大切です。
ホース
外壁をDIYで塗装する際は、専門業者と同じように塗装前に外壁の汚れを落とす必要があります。汚れを落とすには高圧洗浄機がいちばんですが、そうした機械が無い場合はホースによる放水で汚れを落とすことになります。また、DIYで塗装すると、想像以上に塗料が飛び散る場合があります。そのため作業中はこまめに汚れを落とす必要があり、特にホースを使った洗浄が大切です。もちろん塗料はホースで水をかけただけでは落ちませんが、塗料以外の汚れは落ちますのでこまめにホースで放水しましょう。
軍手
軍手は安くて丈夫な上、手が汚れるのを防いでくれるため外壁のDIY塗装で重宝します。塗料は手や皮膚に付着すると、落とすのに手間がかかります。そうした状況を避けるためにも軍手を含む手袋の着用は必須です。ただし、軍手自体に塗料がしっかり付着していると、作業中、意図せぬ箇所に塗料が着いてしまいますのでご注意ください。
コーキングガン
壁やタイルなどの繋ぎ目を埋めるシーリング作業では、コーキングガンと呼ばれる道具が使用されます。かつては塗装専門業者が扱う道具でしたが、近年は初心者向けの製品が充実しているため、DIYでも使用される機会が増えています。コーキングガンには手動式や電動式、エアー式などのタイプがあり、用途や目的に応じて選ぶようにしましょう。製品によっては音が大きく騒音になりかねないので使用する時間帯や場所を選ぶ必要があります。
DIYで塗装できる主な外壁材
DIYで塗装可能な外壁材は多数ありますが、ここではサイディング、モルタル、コンクリート、その他の外壁材について、DIY塗装する際の注意点などを列挙します。なお、DIYする外壁材に傷みや損傷が目立つ場合は、DIYではなく専門業者に補修と塗装をご依頼ください。
サイディング
外壁材の中でも耐用年数が長いことから広く使用されているサイディング。そのDIY塗装で注意しなければならないのは、塗料の仕様書をよく確認することです。仕様書には希釈方法や割合、適切な乾燥時間などが記載されていますが、仕様を守らずに塗装してしまうと、すぐに塗膜剥離が起きてしまい、作業時間も費用も無駄になってしまいます。サイディングの材質に適した塗料を選ぶことも重要なポイントです。
モルタル
モルタルのDIY塗装で注意したいのは、安全対策です。モルタルは強いアルカリ性ですので、触れると手が荒れてしまう可能性が高い素材でもあります。また、セメントと砂を混ぜる際には、粉塵が発生しますが、粉塵は微細ですので知らず知らずのうちに吸い込んでしまい、健康を害するといった恐れもあります。したがってモルタルのDIY塗装では防水性のある手袋、ゴーグル、マスクの着用は必須です。また、モルタルは乾燥しやすいため、塗装を中断するのが難しい素材です。天候や作業工程、手順をしっかりと確認して効率的に塗装するようにしましょう。
コンクリート
コンクリート外壁をDIYで塗装する際は、水性塗料がおすすめです。水性ではなく油性塗料を塗ると化学変化が起き、将来的にひびが入って剥がれる可能性が高まります。その点、 水性塗料は水で薄めることができるので、経験の少ない素人でも扱いやすいDIY向きの塗料です。 また、建築用の水性塗料は乾くと耐久性も高まります。ただし、コンクリート外壁のDIYでは、「場所によって色が違ってしまった」「塗りむらが激しい」「色のイメージが違った」など、仕上がりの失敗も少なくありませんのでお気を付けください。
その他の外壁
上記以外でDIY塗装ができる外壁としては、ジョリパットがあります。ジョリパットは豊富なカラーバリエーションに加え、異素材との相性も良いことなどから幅広く使用されています。また、ALCは「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる建築資材で、コンクリートとは思えないほど軽い板状の外壁材です。また、タイルの外壁もDIY塗装が可能ですが、タイルの場合はタイルそのものが劣化するというよりも、下地や目地の傷みが目立ってくるため、それらを剥がす補修や塗装などの対策が必要です。
DIYで塗装した外壁の耐用・耐久性について
DIYで塗装した外壁の耐用・耐久性は、塗装のクオリティや精度によって決まります。塗料の仕様どおりに丁寧に塗装された外壁は、塗料が本来の機能をするため、おのずと耐用・耐久性が確保されます。一方、仕様書に記載された希釈や配合を守らずに塗装すれば、わずか1年、2年で塗膜が剥がれてきます。DIYで塗装するのであればなおさら忠実に塗料の仕様を遵守することが大切です。
外壁塗装のDIYにおける足場の必要性
外壁塗装の際、足場があると大変便利です。足場を組むことで作業中の姿勢が安定したり、集中力を要する細かい箇所も塗装しやすくなり、失敗が減ります。さらには足場があれば洗浄水の飛散を防止するシートなどを掛けて養生することもできます。ただし、足場を組めば当然、設置や解体の費用が発生します。したがって予算次第となりますが、なるべく設置するのが良いでしょう。
外壁塗装のDIYは避けたほうが良いケース
これまでは外壁をDIY塗装する工程、塗料、必要な道具や材料などをご説明しましたが、DIY塗装は避けたほうが良い外壁もあります。劣化が著しい外壁や雨漏りしている外壁です。これらの外壁をDIYで塗装すると、まともに塗料が付着せず時間と費用の無駄になります。
劣化が著しい外壁
劣化が著しい外壁はDIY塗装は避けましょう。まずは劣化箇所を剥がす補修や修復を専門業者にお願いすることが先です。補修や修復をせずにDIY塗装してしまうと、外壁の状態はさらに悪化する可能性があります。
雨漏りしている外壁
雨漏りというと屋根から雨水が滴るというイメージが一般的ですが、傷んだ外壁を放置していると、そこから雨漏りすることもあります。雨漏りしている外壁に塗料を塗っても雨漏りは解消されません。まずは雨漏りしている箇所を修復、補修することが最優先です。
外壁塗装のDIYにおける注意点
外壁をDIY塗装する際には様々な注意点があります。ここでは目地、ひび割れ(クラック)、希釈ミス、色ムラ、塗料の飛散、高所作業など、DIY塗装で考えられる注意点についてそれぞれご説明します。特に高所作業は大きなケガにつながる危険がありますので十分にご注意ください。
目地
目地はDIY塗装でもっとも難しい箇所のひとつといえます。外壁をローラーで塗る作業はDIYでもうまくいくケースは多々ありますが、目地の補修作業は高いハードルです。専用のコーキング材で補修をしますが、目地に沿ってきれいにコーキング材を埋め込むのは難しく慣れるまでには時間と経験が必要です。
ひび割れ(クラック)
ひび割れ(クラック)は外壁のDIY塗装で多く見られる失敗のひとつです。主材と上塗り材(仕上げ材)との塗装間隔時間が適切でなかったりすると、主材が硬化収縮するため、クラックが生じます。ほかにも弾性素地や弾性塗膜の上に硬質塗膜の塗装すると、硬質の塗膜が弾性下地の動きに適応できず、クラックが生じるケースがあります。
希釈ミス
外壁のDIY塗装では希釈ミスがよく起きます。はじめてDIYする際は「薄めると塗料の寿命が短くなってしまうのではないか」と心配になり、希釈が十分でない場合があります。そのため塗料をドロドロの状態で使ってしまうと「ピンホール」と呼ばれる小さな「穴」が壁面に生じてしまいます。反対に希釈限度を超えて薄めすぎると、滑らかに塗れるため作業はしやすくなりますが、実際は塗装の厚みが足りないので発色が悪く、保護膜として機能しません。
色ムラ
色ムラも外壁塗装のDIYで発生しがちなミスです。希釈ミスが主な原因となりますが、下塗りが不十分で下地の吸い込みが収まっていない状態で塗装をしてしまった場合にも、色ムラが起きてしまいます。また、乾燥時間を十分にとらずに作業を進めてしまうと、上塗り材がしっかりと接着しないため、色ムラが発生します。ほかにも気温や湿度などさまざまな要因で色ムラが起きます。
塗料の飛散
外壁のDIY塗装では、塗料の飛散によるトラブルが起きることもあります。近隣の敷地内に塗料が飛散してしまい、トラブルに発展してしまうといったケースです。こうしたトラブルを防ぐには、なんといっても十分な養生が不可欠で、塗料が付着してはいけない箇所はビニールシートや保護シートでしっかり覆うようにしましょう。
高所作業
外壁塗装のDIYでは場合によっては高所作業となります。脚立などを使った高所作業はいうまでもなく危険がともない、落下や転落してケガを負うケースもあります。高所作業する際は、万が一の落下、転落に備えてヘルメットの着用が欠かせません。
屋根塗装のDIYについて
屋根塗装をDIYで行う場合は、外壁塗装のDIYと同様、様々な工程や手順、注意点があります。屋根の場合も洗浄や釘打ち・コーキング、ケレンを含む下地補修、養生、下塗り、タスペーサー(縁切り)、中塗り、上塗りなどが必要です。屋根のDIY塗装は外壁以上に高所での作業となりますので、まずは安全確保が何より大事です。また、屋根に太陽光発電パネルが設置されている場合は、太陽光パネルを一度、取り外す必要があり、大がかりな工事となることもあります。
外壁塗装はエイチプロスにお任せください
エイチプロスは実際に施工・管理を行う工事施工店です。そのため、下請けの中間マージンや紹介料などは一切発生せず、「低価格」と「高品質」を実現します。創業25周年を迎え、この間築いた豊富な施工実績・工事品目でお客様のご希望に沿う最適なプランをご提案します。当社は、国土交通大臣登録団体に加盟しており、国の基準をクリアした信頼できる優良塗装業者です。信頼、優良の証として、官公庁・行政・私立高などの塗装工事でも豊富な実績があります。万が一に備えた、リフォーム工事瑕疵保険も対応していますのでご安心ください。お支払いについても、リフォームローンがありますので無理なく月々の分割払いが可能です。ぜひリフォームローンをご利用下さい。当社の工事品目は幅広く、大規模改修、修繕、外壁補強塗装、屋根補強塗装、防水補強塗装、屋根カバー工法、屋根葺き替え、瓦交換・漆喰、システムキッチン、バスルーム、トイレ交換、壁紙を張り替える工事、クリーニング、フルリノベーション、ベランダ、外構・エクステリア、高圧洗浄、廃材撤去、コーキング、シーリングを打つ(打ち増し)工事、棟板金の釘打ち、タスペーサーを指す工事、ケレン、トップコート、リカバリーウォール、廃材・廃棄物処理、完工検査など、あらゆる工事に対応、サポートいたします。
また、塗装にかかる各種補助制度やリフォーム助成金、火災保険などについても訪問にてご案内します。なお、屋根塗装については、外壁と別々に塗装される方もいますが、別々に塗装すると、その都度、足場代などが発生するため合わせての塗装をおすすめします。ご契約後の完成シュミレーション診断も無料で承ります。シミュレーションすることで完成後のイメージが把握しやすくなりますので、ぜひお申し付けください。当社は雨戸・戸袋・雨樋・軒天・破風板・水切り・シャッターボックス・玄関など付帯部分の塗装も幅広く承ります。外装をめぐっては一部の悪徳業者が横行したことで「業者に水増しされ、騙されているのではないか」といったご意見やトラブルが少なからずありました。そこで当社は概算費用がどなたにでもわかるよう「外壁塗装オンライン見積り」を導入しています。建物要件を入力すれば、自動的に費用が算出されるシミュレーションシステムでを導入しています。建物要件を入力すれば、自動的に費用が算出されるシミュレーションシステムです。ご自宅でぜひ一度ご利用ください。