屋根塗装の基礎知識

屋根塗装

屋根塗装は10数年に一度の大きな工事です。費用も場合によっては高額となります。屋根塗装に失敗しないためには、基礎的な知識を深めることが重要です。ここでは屋根塗装に際して知っておきたい基礎的な知識をわかりやすくご案内します。なお、当サイトでご紹介する各種費用はあくまで目安です。世界情勢などの影響による原価高騰などで、タイミングにより値段が大きく変わる場合もあります。今すぐにお住まいにかかる外壁塗装相場を知りたい方は、外壁塗装の相場チェック【ヌリカエ】 をご利用ください。今すぐいろんな業者の見積を見比べたい方は、優良店のお見積りが最大4社無料で取得することが可能 【外壁塗装の窓口】 をご利用ください。

どうして屋根塗装は必要?

どうして屋根塗装は必要?

屋根は家屋の中でもっとも太陽光線による熱、紫外線、雨風などの影響を受ける箇所です。そのため、もっとも劣化が進行しやすい部分といえます。紫外線や太陽光線による熱、雨風によって屋根の塗膜は膨れたり、チョーキング現象が起きたり、錆、色あせ、剥離、ひび割れ、欠落が発生するなどして徐々に劣化し、屋根材の表面は耐水性・耐候性を失い雨漏りなどの原因を引き起こします。しかし、屋根は私たちの生活空間の上にありますので、そうした劣化のサインに気づけず、放置してしまっているケースが多々あります。こうした事態を避けるためには、早めの屋根塗装が有効です。塗り替えることで、屋根材の表面は新しい塗膜で覆われます。塗膜は一定期間にわたって紫外線や熱、雨風などから屋根を守ってくれます。我が家で末永く安心して暮らすためにも、お早目の屋根塗装をおすすめします。

屋根塗装と雨漏り

住まいに関するトラブルは無数にありますが、その中でもいちばん困ったものといえば「雨漏り」ではないでしょうか? ひとたび雨漏りが始まってしまうと、日常生活に支障が出るだけでなく、補修や改修に多額の費用がかかります。というのも、雨漏りする原因の多くは、目に見えている屋根材の破損ではなく、屋根材の下葺き材が破損している場合が多いためです。したがって、屋根材の破損箇所を補修し、せっかく屋根塗装をしたとしても抜本的な解決にはなりません。多くの屋根では下葺き材に防水紙(ルーフィング)が使われています。防水紙はその名のとおり、雨水を通さない素材でできており、水分が屋内に入り込むのを防ぎます。しかし、防水紙は、経年劣化により穴が開いたり破れたりするため、そこから腐食して雨漏りの原因となります。一見、問題がないように見える屋根でも瓦をめくってみると防水紙が擦り切れ、破損していたということは珍しくありません。この場合、目に見える瓦やスレートだけをシーリング材で応急補修しても雨漏りはおさまらず、腐食した下地も一緒に修理する必要があります。いずれにしても、雨漏りを未然に防ぐには、応急処置ではなく屋根塗装を含めたメンテナンスを定期的にすることが重要です。

屋根塗装?それとも葺き替え?

屋根の修復方法は大きくわけて「塗装」「重ね葺き工事(カバー工法)」「葺き替え」の3つがあります。大切な屋根を「塗装」するか、「重ね葺き」するか、それとも「葺き替え」するかは、それぞれの工事のメリット、デメリットを知った上で、業者とよく話し合ってご判断ください。ここでは、「塗装」「重ね葺き」「葺き替え」のそれぞれの工事内容やメリット、デメリットについて解説します。

屋根塗装

屋根塗装は、もっとも一般的な屋根工事の一つで、文字通り屋根を塗り替える工事です。屋根塗装は、葺き替えや重ね葺きとは異なり、屋根材そのものを新しくする作業ではないため、他の工事に比べ費用を抑えられます。費用は家屋の大きさにもよりますが、屋根塗装工事のみの相場は約15万円~50万円前後です。こちらに加え足場の値段も発生いたします。塗装することでひび割れや色褪せなどの劣化を防ぎます。また、塗装の前には屋根の破損個所を補修、修復するため、屋根を長持ちさせることができます。好きな色の塗料を選んで自分好みの屋根に塗り替えることができるのもメリットです。ただし、塗料の耐用年数にもよりますが、経年後に塗り替えが必要になります。

重ね葺き工事(カバー工法)

重ね葺き工事は、古い屋根はそのままにして上から新しい屋根をかぶせる工事です。かぶせることから、「カバー工法」とも呼ばれます。重ね葺きは、葺き替えとは違い、古い屋根の撤去作業が発生しないので、その分の費用を抑えられます。重ね葺き自体の費用は約100万円~160万円前後で、さらにこちらに足場の値段も追加で発生いたします。暑い夏に屋根が太陽光線の熱を吸収すると、室内の温度が上昇します。しかし、重ね葺きをした屋根は、古い部分と新しい部分の二層構造となり断熱性が高まるため、暑さ、寒さが屋内に伝わりにくくなる場合もあります。また、雨音などを遮る遮音・防音効果も期待できます。ただし、重ね葺き工事をするには条件があり、新しい屋根の土台となる下地に腐食などが無いかが重要です。なお、重ね葺き工事は、洋瓦や日本瓦の場合は施工できませんので、その場合は塗装あるいは葺き替えの選択となります。また、重ね葺きは、新しい屋根材をかぶせる工事なので、既存部分のキズや経年劣化を抜本的に直すものではありません。したがって、屋根の下地が腐り始めていた場合は、重ね葺き完了後も劣化が進行する危険性があります。

葺き替え

葺き替え工事は、屋根工事のなかで最も大規模なもので、費用総額は約140万円~200万円+足場の費用が発生するので高額になります。葺き替えは、屋根材を全て新しいものに変えて葺く工事で、屋根材全体の経年劣化、屋根材の広範囲に及ぶ破損、屋根材に加え下地も傷んでいる場合などは、葺き替え工事となります。葺き替え工事では、屋根を全て撤去しますので、下地部分が完全に見える状態となります。そのため、劣化の状況を把握しやすくなる上、しっかりとした補修、修理が可能となります。また、既存の屋根材が瓦屋根などの重いものであれば、軽量の屋根材に切り替えることもできます。結果、建物全体への負担が軽減され、耐久性が高まります。葺き替えは、多額の費用がかかりますが、その効果は大きいといえるでしょう。ただし、工期は1〜2週間程度と長く、撤去時の騒音が発生するとともに、工事中は少なからず生活に支障が及びます。また、アスベストが含まれている屋根材を撤去処分する場合は、処分費や解体撤去費が高くなります。撤去の際にアスベストが飛散するようなことがあってはなりませんので、業者との話し合いを必ず実施するようにしてください。

屋根塗装には足場が不可欠

屋根塗装には足場が不可欠

屋根塗装は危険な高所作業となりますので、足場が不可欠です。また、足場を組むことで高所でも職人が安全に作業できるのに加え、姿勢が安定するため、細かい箇所でも丁寧な仕事が可能となります。足場の設置には一定の費用が発生するため、一部の悪徳業者の中には「近くの現場の足場をそのまま使用するため、足場代は無料」といった謳い文句で契約を迫ってくるケースもあります。これは典型的な悪徳業者の手口の一つで、足場代をゼロにする代わりに、屋根塗装の費用を水増ししていますので、くれぐれもご注意ください。また、塗装代金を一式で請求し、詳しい内訳を明かさない業者にも注意が必要です。

塗装する屋根材の種類

屋根の材質は様々で、主な屋根材としてはスレート、モニエル瓦、トタン、瓦、鋼板、コロニアル、アスファルトシングルなどがあります。ここではスレート、モニエル瓦、トタン、瓦、鋼板、コロニアル、アスファルトシングルのそれぞれの特徴や塗装の際の注意点、耐用年数の目安などを解説します。

スレート

スレートとは、セメントと繊維質を混ぜ合わせて薄い板状にした屋根材で、国内の戸建て住宅の屋根材としてもっとも流通しています。スレート屋根が広く普及している理由としては、価格の安さに加え、軽量性があります。スレート屋根は、厚さ約5mmで 粘土瓦と比べると半分程度の重さしかありません。結果、 スレート屋根は建物への負担が少なく、耐震性を高めます。スレート屋根は、初期塗装の切れる約10年のタイミングで様々な劣化症状が現れます。スレート瓦の耐候性や耐久性を長く持続させるためには、錆止めや表面の防水塗装を切らさないことが重要です。

トタン

トタン屋根は薄い鉄板に亜鉛をメッキした金属材、いわゆる「トタン板」を葺いたものです。トタンの重量は、昔ながらの日本瓦と比べると10分の1以下ですので耐震性が高く、地震が来ても建物に大きな負担がかかりません。また、金属屋根ですので継ぎ目が少なく、傾斜が緩くても雨漏りしにくいなどの利点もあります。ただし、耐久性は低い素材ですので、色褪せや塗膜が白い粉をふくチョーキングなどの症状が見られたらお早めに錆止めを含む屋根塗装が必要です。

ひと口に「瓦」いっても日本古来の粘土瓦である「和瓦」もあれば西洋発祥の「洋瓦」もあります。「和瓦」と「洋瓦」の違いやそれぞれの特徴などを紹介します。塗装の際は、瓦の種類によって注意点がありますので、屋根塗装業者にご確認ください。

和瓦

和瓦にもいくつかの種類があります。焼き物の瓦全般を指す「粘土瓦」、釉薬によって色を付けた粘土瓦である「陶器(セラミック)瓦」、瓦の素地自体を燻化し、銀色になった粘土瓦である「いぶし瓦」、釉薬をかけずに焼いた粘土瓦である「素焼瓦」などです。和瓦屋根は長持ちしますが、劣化はします。乾燥による瓦の割れ、カビ・コケ・藻の発生、たわみ・歪みなどが見られたら補修のタイミングです。

洋瓦(粘土瓦・セメント瓦)

洋瓦は西洋発祥の瓦のことで、大きくわけて「粘土瓦」と「セメント瓦」の2種類があります。粘土瓦は、その名の通り、粘土を材料にした瓦で、主な形状としてはフランス式の「F形」とスペイン式の「S形」があります。F形は凹凸が少なく平らなデザインで、フラットな形状であることから平板とも呼ばれます。S型は、凹凸がはっきりしているため、屋根の立体感や高級感を出すのに効果的です。「F形」と「S形」以外では、近年流行の南欧風住宅などにはF形やS形の洋瓦に数種類の色を焼き付けた「混ぜ葺き仕様」の瓦もあります。一方のセメント瓦は、粘土瓦と見た目はよく似ていますが、粘土瓦の塗り替え時期が40~50年以上と極めて長いのに対し、セメント瓦の耐久性は10~20年位と、塗装の時期に大きな違いがあります。

モニエル瓦

モニエル瓦は、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られる「乾式コンクリート瓦」のことです。モニエル瓦は主な成分がセメントで、形状もセメント瓦とよく似ていますが、セメント瓦は小口がフラットであるのに対し、モニエル瓦は砂利を混ぜているので小口に凹凸があります。また、モニエル瓦は、日本古来の和瓦(粘土瓦)よりも軽量で、耐震性や耐熱性に優れます。ただし、モニエル瓦自体に防水機能は無く、主成分であるセメントは水分を吸収すると劣化が進むため、定期的な屋根塗装が必要です。また、セメント瓦は通常の塗装が可能ですが、モニエル瓦の表面は着色スラリー(セメント、砂、骨材、顔料懸濁液の水和硬化層)というセメントの着色剤が厚めに塗られているため、塗装の際は、着色スラリーの層を丁寧に除去する必要があります。除去が不十分だと塗膜が剥がれてしまいますので注意が必要です。

鋼板

鋼板、いわゆるガルバリウム鋼板はアルミ亜鉛合金めっき鋼板のことで、アルミニウム、亜鉛、シリコンで構成されます。ガルバリウム鋼板は、熱反射性・耐熱性・加工性・耐食性・防水性・軽量性を兼ね備え、亜鉛の特徴である犠牲防食作用により耐久性にも優れます。ガルバリウム鋼板の屋根塗装をめぐっては高い技術が必要で、専用のプライマー(下塗り材)やサビの状況によっては錆止めを塗る必要もあります。機能の高い塗料を塗装したとしても、数年で塗膜が剥がれるなどの不具合が発生する可能性もありますので、ガルバリウム鋼板塗装の経験と実績豊富な塗装業者をお選びください。

コロニアル

コロニアルはセメントと繊維質を混ぜ合わせて薄い板状にした屋根材です。価格が安く耐用年数も長いことからコストパフォーマンスの高い屋根材として広く使用されています。軽量であるため、住宅への負担が少ないのに加え、カラーバリエーション(カラーベスト・コロニアル)が豊富なので、好みの色の屋根に仕上げられます。ただし、15年以上前のコロニアル屋根やセメント瓦は塗装が出来ない場合が多々あり、その際は葺き替え、もしくはカバー工法となります。ちなみに塗装が出来ない商品の一例としては「パミール」「コロニアルNEO」「レサス」などです。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、ガラス繊維基材にアスファルトを配合したシート状の屋根材で、表面は石粒をコーティングした使用となっています。耐震性や加工性に優れることから、アメリカやカナダなどでは一般的な屋根材として知られています。また、カラーバリエーションが豊富なことから近年は日本でも人気の屋根材です。塗膜の剥がれやチョーキング、コケやカビなどが見られたら塗り替えのタイミングとなります。アスファルトシングルは軽量で飛ばされやすいため、高圧洗浄の際は破損させないよう細心の注意が必要です。

屋根塗装の工程・工法

屋根塗装の工程・工法

屋根塗装の工程や工法をご紹介します。ここでは「近隣挨拶」「足場架設」「高圧洗浄」「釘打ち・コーキング処理」「下地補修」「養生」「下塗り」「タスペーサー(縁切り)」「中塗り」「上塗り」「確認・手直し」「足場解体・清掃・挨拶」にわけてそれぞれの工程の内容をご説明します。なお、屋根塗装の工程の順序や工法は業者によって異なります。

近隣挨拶

屋根塗装工事では、塗装や足場の専門業者が現場を行き来します。いずれの業者もなるべく騒音を立てないよう施工しますが、それでも一定の騒音が出るため、近隣の皆様に事前のご挨拶に伺います。特に隣家の方には、塗料などが落ちないよう施工することをご案内します。

足場架設

屋根塗装は高所作業となるため、足場が必要です。足場を組むことで職人が安全かつ丁寧に屋根を塗装することができます。屋根の勾配によっては、特殊な屋根足場が必要になります。屋根勾配とは、水平距離10寸(303.03mm)に対して高さが何寸あるかを「寸」の単位で示すものです。屋根勾配はデザイン性などで変わり、数値が大きくなるほど勾配がきつくなります。屋根の材質にもよりますが、5.5寸以上の勾配では屋根足場を掛けないと作業は不可能です。

高圧洗浄

屋根塗装をする前に高圧洗浄機を使って、高い水圧で、汚れやホコリ、カビ、コケ、藻などを落とします。カビやコケなどが著しく発生していると、高圧洗浄の水だけでは再び増殖してしまう恐れがあります。そのため、通常の高圧洗浄ではなく、バイオ洗浄剤などの薬剤を使った洗浄を行う場合もあります。同時に、塗膜表面に付着した粉状のチョーキングや剥がれかけた塗膜なども洗い流します。

釘打ち・コーキング処理

本来、屋根材と下地は、釘でしっかり固定されていなくてはなりませんが、経年により、板金などは夏場の温度上昇による膨張で板金とともに釘が抜け出てしまうことがあります。反対に冬場の温度低下で板金が収縮すると、釘だけが取り残された状態、いわゆる「釘抜け」が起きます。こうした状況にならないよう、釘抜けの箇所はスクリュービスなどでしっかり釘打ちする必要があります。また、屋根の破損個所をそのまま放置すると、雨漏りの原因となります。クラックやひび割れがあった場合、シーリング材(コーキング剤)を繋ぎ目に塗布したり、充填したりして、内部へ雨水が入らないようにします。なお、「コーキング処理」と「シーリング処理」は言葉こそ違いますが、施工内容は同じです。

下地補修

下地補修(下地処理、下地調整とも)は、屋根塗装において極めて重要です。下地を十分に処理せずに塗装すると、クラックやひび割れが発生していた箇所は、塗料が均一にならず、塗膜の剥がれ、膨れなどを招き、雨漏りの原因となります。せっかく高機能の塗料を使用していても、きちんと下地処理を施さないと内側の古い塗装が剥がれる場合があり、新しい塗膜の耐久性が低下してしまいます。特にカラーベストやコロニアルと言われるスレート屋根の塗装では、下地調整でひび割れやクラックを丁寧に補修、修理する必要があります。スレート屋根の下地補修、修理方法としては、外壁のひび割れやクラックと同じように、防水補修材を使ってひび割れを埋めていきます。下地補修の際は、あわせてケレン作業を行います。ケレンは屋根の板金などのサビを取るのに加え、塗料を長持ちさせたり、塗料の密着性を高めるために不可欠な作業です。ケレンは、手抜きをする工事業者が省きがちな工程ですので「ケレン」という工事項目が見積もりに提示されているかを必ず確認しましょう。

養生

塗料が隣家や周辺に飛散しないよう、家の外周をメッシュシートで覆います。メッシュシートによる養生は、足場の設置と同時に行われ、シートと足場をひもで固定します。メッシュなので通気性を保てるようになっています。また、塗装しない部分に塗料が付着しないよう、ポリエチレンで作られた透明なビニールシートを貼り付けます。貼り付けの際は養生用ポリテープ(マスキングテープとも)を使用します。また、養生用ポリシートとマスキングテープが合わさった便利なコロナマスカーと呼ばれる商品もあります。コロナマスカーはポリシート部分にコロナ処理(放電加工)が施されているため、塗料が垂れにくいなどの特長があります。なお、エアコンの室外機や車などにも塗料が飛散、付着しないよう専用のシートで養生します。

下塗り

下塗りは、その名のとおり下地となる塗装工程です。下塗り塗料は一般的に乳白色あるいは透明で、この下塗り塗料をいかに丁寧に塗るかが屋根塗装全体のクオリティに大きく影響します。下塗りの主な目的は、屋根材と上塗塗料を接着させることです。また、傷んだ外壁に屋根材に塗料が吸い込まれるのを防ぐ役割も果たします。また、下塗り塗料には、下地表面を固める機能や防カビ機能、防サビ機能、太陽熱を効果的に反射させて遮る遮熱機能などもあります。ちなみに下塗り塗料の種類としては、下地への吸い込みを抑える「シーラー」や金属にも使用できる「プライマー」、劣化が激しい下地に適した「フィラー」のほか、微弾性フィラー、バインダー、サーフェイサーなどがあります。用途によって最適な下塗り塗料を使う必要がありますので、詳しくは塗装業者にご相談ください。

タスペーサー(縁切り)

コロニアルやカラーベストと呼ばれるスレート屋根の塗装では、屋根材の上の素材と下の素材が重なっている箇所も塗るため、もともとあった隙間を塗膜が覆ってしまい、上下の素材がくっついた状態になります。すると雨水の逃げ道が無くなり、屋根材を劣化させるだけでなく、防水シートや下地に水が当たる頻度が多くなり、結果、雨漏りを招き、建物劣化の原因になってしまいます。雨漏りを防いだり、家屋に水の侵入を防ぐために上下の素材の間に隙間を空ける作業を縁切りといいます。縁切りは通常、タスペーサーと呼ばれる専用の道具を用います。一般的な住宅であれば、タスペーサーによる縁切り作業は、職人1人が約2時間程度で終了します。タスペーサーを使用する以前は、丸1日作業であったため、大幅な工事期間の短縮、人件費の削減となっています。

中塗り

中塗りはその後の上塗りの質を高めるためのもので、中塗りの段階で凹凸のない平らでなめらかな下地をつくっておくことで、上塗りがキレイに塗れるようになり、より美しく仕上がります。ただし、塗料メーカーの技術により、「中塗り」が不要な一部の塗料製品もあります。

上塗り

中塗り後、完全に屋根材が乾いたら上塗りとなります。上塗りは屋根の見栄えに大きく影響する工程です。上塗りが十分でなかったり、省略されてしまったりすると、塗料の厚みが不足し、本来期待できる耐用年数よりも早く塗膜が劣化してしまいます。依頼した塗装業者が下塗り、中塗り、上塗りの3工程で丁寧に塗装してくれるかどうかが重要です。

確認・手直し

塗装を終え、塗料が完全に乾いたら、塗り残しや塗りムラがないか、きちんと艶が出ているかなどを屋根の隅々まで最終確認します。もし十分ではない箇所があれば、手直しします。また、非塗装部分をいくらしっかり養生しても、塗料の飛び散りはわずかですがあるものです。そうした場合は、シンナーなどでふき取り掃除をして綺麗な状態に戻します。

足場解体・清掃・挨拶

全ての作業を終えたら、安全第一で足場を解体します。あわせて現場内を清掃し、万が一、塗料などが飛び散っていたら元の状態に戻します。最後に周辺の皆様のご理解、ご協力に感謝の気持ちを込めてご挨拶に伺います。

屋根塗装で使用する塗料と耐用(耐久)年数

屋根塗装ではシリコンやフッ素、ウレタン、無機など様々な塗料が使用されます。使用する塗料によって耐久性や機能は異なります。ここではシリコン、フッ素、ウレタン、無機のそれぞれの特徴と耐用(耐久)年数、平米(㎡)あたりの単価の目安をご案内します。なお、もっとも安価な塗料としてはアクリル塗料がありますが、アクリルは他の塗料に比べ耐久性が低く、クラックが生じやすいため、屋根塗装に使用されるケースはかつてに比べ少なくなっています。

ウレタン

ウレタン塗料は、弾性、伸縮性に優れ、ひび割れ(クラック)が起きても塗料の密着度を保つため、塗膜表面までひび割れが広がりにくいといった長所があります。ただし、シリコンやフッ素、無機などと比べると、耐用年数は短い傾向にあります。屋根塗装の費用を抑えたい方や、10年以内に退去や解体が決まっている方に適しています。

耐用年数
約8年
単価相場
1,600円~2,000円

シリコン

シリコン塗料は「シロキサン結合」を含む塗料で、このシロキサン結合は、結合力が非常に強いのが特徴です。そのためシリコン塗料も紫外線などによる影響を受けにくく、長期間にわたり塗膜の劣化症状が表れにくい特長があります。雨と一緒に汚れが落ちやすく、藻やカビなどが生えにくいなど、美観を保ちやすいのもシリコンの強みで、屋根塗装に適した塗料といえます。

耐用年数
約10年
単価相場
2,000円~2,500円

フッ素

フッ素塗料は価格面でシリコンを上回りますが、その分、屋根塗装には効果的です。屋根は住宅の中でもっとも紫外線や雨水に当たる場所であるがゆえ、劣化しやすい部分です。その点、フッ素塗料で施工すると、高い耐候性で住宅を紫外線から守ってくれるのに加え、高い耐久性で家を長持ちさせてくれます。

耐用年数
15~18年程度
単価相場
3,000円~3,800円

無機

無機塗料は屋根塗装に使用される塗料の中でもっとも高価なもののひとつです。無機物を主成分としているため、フッ素以上に雨や紫外線の影響を受けにくいので劣化しにくく、屋根材を長期間にわたって保護します。また、カビやこけの栄養分である有機物の含有量が少ないため、カビやこけの発生を抑えてくれます。さらに無機物は親水性が非常に高く、表面に汚れが付着しても雨水で汚れが落ちます。また静電気が起きにくいので、ホコリなどのゴミを寄せ付けない塗膜になるのも強みです。

耐用年数
20~23年程度
単価相場
4,500円~5,500円

屋根塗装と合わせて外壁塗装を

屋根塗装には足場が不可欠

屋根塗装とあわせて外壁塗装をおすすめします。というのも、屋根と外壁をそれぞれ別のタイミングで塗装工事すると、その都度、足場代がかかり、費用が割高になるためです。足場代は塗装費用内訳の約2割を占める主要な費用であり、その都度、足場代が発生するとしないとでは費用が大幅に異なります。たとえば延床面積が40坪(約132㎡)の建物の足場代は、10数万円~20万円ほどですが、屋根と外壁を同時に施工すれば足場代はその範囲内で済みます。しかし、個別にペイントすれば、足場代の費用は2倍にのぼることになります。延床面積や建て坪がさらに大きかったりすると、家の外周が増しますので足場代はさらにかさみます。また、屋根と外壁を合わせて塗装すれば、値引き幅が拡がる可能性もあります。塗装業者にとっても単体の工事よりも、同時ペイントのほうが収益は確保しやすいためです。ただし、屋根と外壁の同時塗装を呼びかけてきて過度な値引きをする業者には注意しましょう。大幅な値引きを提示する業者は手抜き業者か悪徳業者の可能性があります。どれほど値引きしても、せいぜい1割が限界です。値引き額に気を付けて、優良業者か悪徳業者かを見極めましょう。

屋根塗装の費用を抑えるには?

屋根塗装の費用を抑えるには、いくつかの方法があります。その一つが、補助金・助成金の活用と火災保険の適用です。では、どのような補助金・助成金制度があるのでしょうか。また屋根塗装に火災保険が適用されるのはどのようなケースでしょうか。知れば得する情報を詳しく解説します。

助成金や補助金を利用する

屋根塗装をめぐっては多くの自治体が補助金・助成金事業を行っています。ただし、環境に配慮した熱を遮る「高反射率塗料」の使用や「日射反射率50%以上」などの具体的な条件が設定されています。塗料メーカーによっては「サーモアイ」などの商品名で太陽熱高反射シリコン系屋根用塗料(遮熱塗料)を販売しています。助成の対象となる断熱、遮熱塗料などの条件は自治体によって異なりますので、最寄りの自治体のホームページなどでご確認ください。

外壁塗装で使える助成金や補助金について

火災保険を利用する

屋根の塗装工事をめぐっては、火災保険を適用できる可能性があります。ただし、塗装に対して保険が適用になるケースは少なく、何らかの理由で破損した屋根を元通りにする際、塗装が必要と判断されれば、屋根塗装の費用の一部が免除されるようです。「屋根瓦が壊れて雨漏りが発生した」「台風により屋根瓦がずれた」「強風で屋根材が飛んでいってしまった」「台風や豪雨によって雨漏りが発生した」「竜巻の影響で屋根に物が当たって壊れた」「雹(ひょう)が屋根を壊した」などの場合は、風災として認められる可能性が高く、あわせて屋根塗装の費用が保険で賄われるかもしれません。火災保険にご加入の方は、工事前にご契約内容を必ず把握ください。

外壁塗装で火災保険が適用になるケースについて

屋根塗装はエイチプロスにお任せください

エイチプロスは、ケラバを含む屋根塗装や屋根の葺き替え、カバー工事、瓦交換はもとより、お住まいの大規模改修、モルタル、サイディングなどの外壁塗装、防水塗装、漆喰、モルタル、繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics:FRP)、システムキッチン、バスルーム、トイレ交換、壁紙を張り替える工事、クリーニング、フルリノベーション、ベランダ、外装・外構・エクステリアなど、あらゆる工事に対応いたします。破風や雨樋などの付帯工事もお任せください。廃材も責任を持って処理致します。当社は、実際に施工・管理を行う工事施工店ですので、中間マージンや紹介料などを一切頂くことなく、「低価格」と「高品質」を実現します。当社は創業以来、人材の育成に力を注いでおり、技術の資格取得や技能講習も積極的に行っています。結果、各種の資格を持つスタッフが多数在籍しており、社員一丸となって最高のサービス提供に取り組んでいます。また、当社は、国土交通大臣登録団体にも加盟中の優良塗装業者です。信頼、優良の証として、官公庁・行政・私立高などの塗装工事でも豊富な実績があります。万が一に備えた、リフォーム工事瑕疵保険も対応していますのでご安心ください。お支払いについても、リフォームローンがありますので無理なく月々の分割払いが可能です。ぜひリフォームローンをご利用下さい。ご契約後の完成シュミレーションも無料で承りますので、ぜひお申し付けください。当社は概算費用がどなたにでもわかるよう「外壁塗装オンライン見積り」を導入しています。建物要件を入力すれば、自動的に費用が算出されるシステムです。ぜひ一度ご利用ください。

外壁塗装オンライン見積りはこちらへ